子どもの偏食原因は?妊娠中に食べたものが影響してた?

偏食は比較的多くの子どもに見られる行動ですが、実は味覚・嗅覚はお母さんのお腹の中にいるときから、すでに機能していることが分かりました。

その背景に、環境と遺伝的な影響が考えられる研究が発表されています。今回は、その研究結果に基づき、どのように偏食に対応すればよいかをご紹介します。

妊娠中の食事で子どもの味覚が決まる?

妊娠中の母親の食事は、赤ちゃんの味覚にどのような影響を与えるのでしょうか?

雑誌「Obesity Review」に掲載された新しい研究によると、母親が摂取した味覚は子宮の中の赤ちゃんにも届くとのことです。

 

●羊水に味が送られる?

バッファロー大学小児科の行動医学部門の研究者たちは、40以上の査読済み研究から得られた研究結果を調べました。成人の官能検査では、ガーリックカプセルのオイルを摂取した妊婦の羊水から、ガーリック、クミン14、カレー15の匂いと化合物がそれぞれ検出されました。

さらに実験では、妊娠後期にニンジンジュースを3週間連続で摂取した女性の子どもは、プレーンなシリアルに比べて、初めてニンジン風味のシリアルを食べさせたとき、好んでニンジン風味のシリアルを食べたことが分かりました。

 

●赤ちゃんはお腹の中で味の経験が始まる

上記の研究の著者は次のように結論付けています。「味覚と嗅覚は胎児期にすでに機能しており、胎児は定期的に羊水を飲み込んでいるため、味覚の最初の体験は出生前に起こる」これらの “伝わりやすい “味に触れることは、出生後の乳児がこれらの味を受け入れることに影響する」と述べています。

妊娠中に母親が食べたものが、のちに乳児が固形食を受け入れるための土台になります。そして、この初期の経験が「味の橋渡し」となり、母親の食事の味に乳児を慣れさせることができることを明らかにしています。

さらに、妊娠中の食事は子どもの長期的な健康と、さらには孫の健康にも影響します。

 

●わが家でも研究結果の証明が!

わが家は1歳まで、味付けなしの離乳食を与え、1歳をすぎると大人の食事から、薄味を取り分ける形で乳児食をあげていました。

でも、それもある日を堺に、終わりを迎えたのは2歳ごろ。研究結果である「腹の中で味の経験が始まる」ことがわが家でも証明されたのです。

2歳になったばかりの息子は、ある日突然カレーの「中辛」が食べられるようになりました。

私たち夫婦のために料理した「中辛」のバターチキンカレーを、息子が欲しそうにしたので、一口あげたところ、おいしいとパクパク食べたのです。

私は「えっ?中辛が食べられるの?もう子ども用のカレーは作らなくていい?」と衝撃の瞬間でした。

その日から息子は、大人と同じカレーやスパイスの効いた食事を食べています。

わが家は夫の好みで日本食よりも、スパイスの効いたメキシカンやエスニック料理をよく作ります。息子がお腹の中にいた時から、高い頻度で食べていたので、2歳でもブラックペッパーやサルサソースを好で食べています。もしかすると、もう少し早い時期に与えても好で食べたかもしれません。

お子さんが食べないと悩んでいるのなら、ママが妊娠中によく食べていたものを与えるのも一つの手段かもしれません。

 

成長するにつれて偏食は減る?

胎児が子宮内で母親の食事の味に触れることが分かったところで、偏食についてオランダで行われた4,018人を対象とした最近の研究では、生後18ヶ月で26.5%、3歳で27.6%、6歳では13.2%と偏食率は減少しています。

この研究データから、偏食は通常一時的な行動であり、就学前の子どもにおける正常な発達の一部であることがわかりました。

 

食べられるまでには、最低8回与える必要がある

オハイオ州クリーブランドで米国栄養士会(Academy of Nutrition and Dietetics)によると3,022人の乳幼児を対象とした研究で、多くの保育者が、乳幼児が特定の食品を受け入れるようになるまでに815回の食べものを与えることが必要と明らかにしました。

 

 

 

 

 

 

食べなくても、気楽に出しつづけるが鍵

嫌いな野菜でも、ほぼ毎日子どものお皿に取り分けましょう。たとえ何日も続けて食べなくても、気にすることはありません。

そうするうちに子どもは、その野菜に興味がわき、形、感触を、試してみる可能性が高くなります。食べるようにプレッシャーをかけることは効果がないので、ママは気長に待ち、子どもが興味を持ち始めたら、たくさんほめてあげることが鍵です!

こちら側の、食べてほしいという気持ちが強くなると子どもは、感じ取りますしママもストレスがたまるだけです。

 

 

 

野菜の味をごまかさない

野菜を細かくしたり、ソースなどの「味」に隠すことは食べてくれる効果があるかもしれません。

しかし、それは本人が野菜の味を経験していないことになります。野菜に慣れて好きになるには本来の味を感じ取る必要があります。

そのため、はじめは食べなくても、先ほどお伝えした通り、食べてくれるまで最低8回〜15回は食卓にだし続けましょう。出すことにより、かならず子どもにとっての刺激になっています。

また、はじめての野菜をあげるときは大好きなものと一緒に少量を添えましょう。

 

 

 

一度に少しずつ出す

どんな食事でも、お腹がペコペコの状態なら子どもは何か食べようとします。少食な子は量に圧倒されてしまうことがあるので、量が食べきれそうに見える程度に抑え、大きさは一度に少しずつ食べられるように切り分けてみてください。

食べ終えても足りないという意思表示があれば、その都度お代わりさせるやり方を挑戦してみてください。

また、食事の時間を30分に制限することをおすすめします。食べない子どもにとって、長時間の食事はかえってストレスになります。食べることに対するストレスを軽減するためにも30分に制限しましょう。食べないのであれば、たとえそれ以上引き延ばしたとしても、食べることはほぼないでしょう。

 

 

 

さいごに

努力はきっといつか報われます!育児は長期戦!あきらめないで気楽にがんばってくださいね。今は元気でしっかり成長してくれていればそれで十分。

焦らずゆっくりと、そのうちにいろんなものを食べられるようになってくれます。

*参考 : Similar research was published in 2007 in the Journal of Law, Medicine & Ethics. / Picky Eating in Children

この記事を書いた人

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内閣府認可 一般財団法人 職業技能振興会認定 オーガニックアドバイザーのMariが

妊娠中から子育てに役立つオーガニックの情報を発信。

幼少期の食物アレルギーと、アトピー性皮膚炎を18歳のとき体質改善し、10年以上オーガニックを取り入れオーガニックアドバイザーの資格を取得。

記事はママ目線で「Mummy View マミービュー」でお届け。最新記事のメールマガジンのサブスクライブはこちら!