ハーフだから、2言語話せるのは当たり前でしょ?と思われる方もいると思います。
しかし、親の努力なしではハーフでもバイリンガルには絶対に育ちません。
私は、ニューヨークに留学中、現地で暮らしながら、日英ハーフの家庭と出会う機会がありました。日本語も話せるように努力されている家庭と、そうでない家庭を見てきたので、子育てをする前から「親の努力」なしにバイリンガルにはならない事は知っていました。
アメリカ育ちで、日本語が全く話せない日米のハーフの子どもと出会ったとき、会話の中で日本語でしか伝えられないニュアンスや日本の文化も伝わりづらく、母親の立場になったときに悲しい気持ちになりました。
一方、日本語を話せる子どもたちとは、それだけで急に距離が近くなった感覚を覚えています。
今回は、わが家で実践している「バイリンガルに育てるコツ」をお伝えします。私たちはイギリス人の父親と日本人の母親(私)で、4歳の息子を日本で育ています。
〜バイリンガルに育てる4つのコツ〜
1,入園まで両親ともに英語で話す
日本で暮らしながら、バイリンガル育児をする場合、どうしても日本語を聞く機会が英語よりも圧倒的に増えます。
そのため、家庭で英語を話すことは、バイリンガル教育にとって大切な要素の一つです。わが家では保育園入園 (幼稚園入学) する前は、家庭内での言語は全て英語にしていました。
英語がネイティブレベルではないけれど、子どもに使う英語は簡単なので、母親(私)も英語でコミュニケーションをとり、英語の絵本を読むことで、入園前に英語脳の基礎を育てることに成功しました。
2, メディアは全て英語にする
テレビから日本語が聞こえてこない環境作りは、バイリンガル教育でとても大切なことだと思います。
そのためわが家では、日本のテレビをつないでません。
基本、イギリスの80〜90年代の教育TVをYouTubeで見せるようにしています。
年代が古いメディアを選択している理由は、現代のテレビよりも、効果音は少なく、言語に集中でき、色合いがシンプルだからです。
また、イギリス人にとって、イギリスのアクセントを理解し発音できることはとても大切なこと。なので、わが家のメディアは必ずイギリス英語と決めています。
おすすめのYouTubeはこちら
Postman Pad (1994) (ポストマンパッド)
日本では、ポンキッキーズで放送されていました。イギリスのカントリーサイドと文化に触れることができます。現代版のポストマンパッドもありますが、スマホが登場したり、効果音のノイズが気になるので、個人的には90年代の動画をおすすめします。
Noddy’s Toyland Adventures (ノディーズ ・トイランド ・アドベンチャー)
こちらも、90年代にポンキッキーズで放送されていました。主役のノディーはおもちゃの国のタクシードライバー。きれいなイギリスのアクセントと紅茶を飲む時間など、物語りの中に英国文化が散りばめられています。
Sooty and Co.(1995) (スティー・アンド・ コー)
なんと、1955年から現代も続いているイギリスの長寿教育テレビです。最初は「The Sooty Show」というタイトルではじまり、名前が変わっても英国で愛され続けている教育テレビです。おすすめは90年代ごろで、Sooty and Co.ではイギリスの生活スタイルや、ジョークなど全てにおいて英国らしさが詰まっている教育テレビです。
今回は、イギリスの教育テレビをとりあげましたが、アメリカ、オーストラリアやニュージーランドなど、父親、または母親のルーツである国の、80〜90年代のテレビを選ぶことをおすすめします。
3. 入学後の努力がとても重要
保育園に通うようになってからは、日本語を話すスキルが向上し、私たち親にも日本語でたくさん話しかけてきました。
そのころから 、息子(2歳) は家庭と保育園の言語が違うことに気づきはじめたと思います。
そして父親にも日本語で、ものを伝える機会が増えてしまいました。
しかし息子に日本語で話しかけられるたび「I don’t understand Japanese. Please speak in English」の一点張り。
最初は、どう伝えていいか分からず、伝えられないもどかしさから悲しい顔をする息子。かわいそうでしたが、ココが重要なポイントです。
父親(英語発話者) が日本語で会話することを受け入れてしまっては、バイリンガル育児は失敗と言ってもいいでしょう。
英語で言えるよう、両親でサポートし、頑張って伝える事ができた時は、たくさん褒めました。
半年ほどで私と日本語、父親とは英語が確立してきました。そのため入園後半年間がとても鍵だったと思います。
また、驚いたことに、この頃から私が日本語で伝えた内容を、父親に英語に変換し伝えられるまで成長しました。
言葉の習得には個人差があるので、その場合は「2言語」伝えれるようになった時期がバイリンガル教育の鍵となります。
4, 二言語混ぜて話さない
バイリンガル育児では、2つの言語を別々に使うことが大切です。
混ぜて話すことで生じるデメリットを避けるために、家庭内での言語の使い分けについては、明確なルールを設けることが必要です。
英語と日本語を混ぜて話すと、それぞれの言語の文法や語彙が正しく伝わっているか、本人が理解できずに成長してしまうからです。
文法は日本語だけど、単語は英語をまぜて話してしまうことは、バイリンガルにとっては自然なことです。
例えば「靴ひもを “tie” して」や「その “mean” は分からない」 など実際に子どもが発したことのある言葉です。
上記のような発言が、日常化していくと言葉遣いや表現能力があいまいになり、将来、英語と日本語を理解できる人とでないと、会話が成立しないなど、他の人とのコミュニケーションに問題が生じてしまいます。
そのため、わが家では、2言語を混ぜて伝えてきた場合、日本語なら日本語だけで、言い直すよう日々伝えています。「靴ひもをむすんで」だよね。言ってごらん。「その意味は分からない」でしょ。というに正しい文章を伝えています。
まとめ
ハーフの子どもを2言語同じレベルのバイリンガルに育てるには、親の努力が必ず必要です。
これからも、成長していく過程で、課題がでてくると思うので、今後のバイリンガル育児について綴っていきます。