フッ素は本当に危険なの?
1994年に世界保健機関(WHO)は、「フッ素使用に関する健康上のガイドライン」という文書を発表し、それによると、6歳以下の子どもに対しては、フッ素を含む歯磨き粉の使用を強く禁止するよう推奨しています。
それによれば、6歳以下の子どもは、歯磨き粉によるフッ素の摂取量が多いため、歯や骨の発育に影響を与える可能性があるためです。さらに、6歳以下の子どもはまだ歯磨き粉を使用する際、飲み込みが多くなり、より摂取量が増える可能性もあります。
フッ素の摂取は、微量であれば生物学的に必要な量とされており、人体には必要な栄養素の一つとされています。
しかし、高濃度のフッ素を長期間摂取することは健康に悪影響を与える可能性があります。特に、骨や歯に対して悪影響をおよぼすことが知られており、具体的には、骨粗鬆症や歯の悪化などの問題を引き起こす可能性があります。
世界保健機関(WHO)は、1日あたりのフッ素の摂取量について上限を設定しており、それは1日 1mgです。また、地域によっては地下水や飲料水の濃度によっては高い場合があり、それに応じて摂取量を調整することが必要です。
●1mgとはどのくらい?
1,000分の 1gのことです。 炊く前のお米のひと粒が、約 0.02g(20mg)くらいなので、1mgは、お米ひと粒の、さらに20分の1くらいの重さということになります。1日当たりの摂取量としては、ごく少量であり、私たちは普段、飲料水や食品からも摂取しています。
また、1mgという数字は、一般的な健康な大人のための推奨量であり、妊婦や乳児などの推奨量はさらに低い量が推奨されています。
●子どもが摂取できる量はどのくらい?
子どもにおいては、フッ素の摂取量には特に注意が必要です。なぜなら、子どもの体は成長しているため、骨や歯の発育に対して影響をおよぼす可能性があるからです。
世界保健機関(WHO)は、子どもにおけるフッ素の摂取量について、年齢や性別などに応じて推奨量を設定しています。
それによると1日あたりの推奨量は下記のとおりです。
- 1歳から3歳までは0.5mg
- 4歳から8歳までは0.9mg
- 9歳から13歳までは1.5mg
これらの数値は概算であり、子どもによっては摂取量を調整することが必要です。また、さきほどもお伝えしたとおり、居住地によっては地下水や飲料水の濃度が高いため、それに応じて摂取量を調整することが必要です。
●妊婦が摂取できる量はどのくらい?
妊婦においてはも、フッ素の摂取量には特に注意が必要です。それは、妊婦の体は胎児の発育に対して影響を及ぼす可能性があるからです。
世界保健機関(WHO)は、妊婦におけるフッ素の摂取量について、1日あたりの推奨量である1mgを超えないよう推奨しています。
妊婦においては、胎児の発育に必要な栄養素を充分に摂取するために、不足しないようにすることも重要視されているからです。
フッ素はどんな物質なの?
フッ素は、化学記号でFと表される物質です。これは酸素と窒素からなる化合物で、脂肪族炭素と炭素結合を切断する酸素化反応を起こすことで、さまざまな用途に利用されています。特に、食品添加物としての使用が広く知られており、防腐作用や口感を改善するために使用されます。
フッ素は地球上に広く存在しており、空気や水、土壌などに存在します。特に、地下水や海水には豊富に存在しており、普段私たちが飲む水や食べる物にも微量のフッ素が含まれています。また、植物や野菜、動物にも存在し、一部の植物には特に高濃度に含まれていることもあります。
フッ素濃度が高い地域はどこ?
世界各地において、地下水や地表水の濃度によってフッ素の濃度が異なります。特に、火山性の地域や湖沼地帯、砂岩地帯などは、地下水に含まれるフッ素の濃度が高いことが多いです。
具体的には、中国、インド、パキスタン、インドネシア、メキシコなどの地域では、地下水の濃度が高く、フッ素汚染が問題となっていることが知られています。また、アメリカ合衆国などの一部地域でも、地下水の濃度が高いため、居住者によるフッ素の摂取量には注意が必要です。
●日本のフッ素濃度が高い地域は?
日本においては、地域によっては地下水の濃度が高く、フッ素汚染が問題となっていることがあります。
特に、九州や四国の地域では、火山性の地域が多く、地下水に含まれるフッ素の濃度が高いことが知られています。また、沖縄県も地下水の濃度が高く、居住者によるフッ素の摂取量には注意が必要です。
ただし、日本全体で見ると、フッ素濃度が高い地域は少なく、一般的には問題とならない程度です。
フッ素が多い食べ物は?
とくに、植物性の食品には、フッ素が含まれていることが多いです。
例えば、大豆、米、小麦、大麦、そして茶などは、高濃度のフッ素を含んでいることが知られています。また、野菜では、ブロッコリー、キャベツ、ほうれん草、カリフラワー、アスパラガスなどは、高濃度のフッ素を含んでいることで知られています。
ただし、これらの食品から摂取するフッ素量は、地域や栽培方法によって異なり、普段の食生活で摂取する量は問題にならない程度です。
世界はどんな対策をしている?
スウェーデンは1977年から、水道水にフッ素を使用しない政策を打ち出しており、今ではほとんどの地域でフッ素を使用していません。
ドイツやオランダも同様に、水道水に対してフッ素を使用しない政策があります。 これらの国では、歯磨き粉などにもフッ素を含まない製品が多く販売されています。
フッ素を過剰摂取しないためにどうしたらいいの?
- 飲料水や食品からの摂取量を確認する
- 歯磨き粉の使用量を守る
- フッ素入りの歯磨き粉をやめる
- フッ素加工されていないフライパンを使う
はみがき粉
私がすぐに実行したことは「フッ素」フリーの歯磨き粉を選ぶことでした。
おすすめは、オーガニック認定機関の中でも特に厳しい審査基準を設け、食品と化粧品を同等に審査するオーガニック認定機関のACO認定を取得しています。
保存料が入っていないので、サラッとした歯磨き粉です。
キシリトールではありますが、3歳の子どもでも問題なく使用できています。また、0歳〜3歳未満の子どもには歯磨き粉を使用しないという選択肢もあります。
フッ素加工されたフライパンは危険なの?
フッ素加工されたフライパンは、高温での使用や長期間使用により、フッ素成分が食品に混入する可能性があります。
高温で使用すると、フッ素成分が蒸発し、空気中に放出され、調理した食品へ混入する可能性があります。さらに時間使用や、酸っぱい食品を入れるのは避けたほうがよいでしょう。
フッ素は酸化防止剤として使用されますが、酸性の材料と接触すると、フッ素が酸化し、溶け出した形で食品に混入し、その結果、危険な化学物質を生み出す可能性があります。酸っぱい食品には、レモンやトマト、酢などが含まれます。これらの食品をフッ素加工されたフライパンで調理することは、フッ素成分が食品に混入し、健康に悪影響を及ぼす可能性がありますので、調理しないことをおすすめします。
また、酸っぱい食品を入れることにより、フライパン表面が酸化し、劣化によりフッ素が溶け出す可能性もあります。
というわけで、わが家で使用しているフライパンは「鋳鉄ホーロー加工された「LAVAラヴァ」のフライパンです。
世界3大料理トルコより生まれた実力派ホーロー鍋LAVAは、国際基準を満たす品質の鉄と釉薬(ホーロー)の使用し有害物質を含まない高品質の原料を使用しています。
ずっしりと重く、持ち手が少し熱くなることがデメリットもありますが、それ以上に火の通りが圧倒的に早くうまみが詰まった味に仕上がります。
さいごに
フッ素の摂取は、微量であれば生物学的に必要な量とされており、人体には必要な栄養素の一つとされていますが、子ども、妊婦の摂取量には特に注意が必要です。またお住まいの地下水の濃度を調べたり、「フッ素」フリーの歯磨き粉に替えてみるなど、今日からできることはたくさんあります。気付けた時でも遅くはありません。